夢に見たパソコン,というのがあるだろうか。僕はある。最初に,欲しいと思ったパソコンは,アミーガだった。その夢は,復活の夢へと。
ゲートウェイ2000の一部門であるアミーガ社は,再度戦略を変更,待望のマルチメディアコンピュータを市場に投入しないことを伝えた。ゲートウェイは8月にアミーガ社を独立させたが,その月のうちに社長が突然辞任,すべての製品計画が見直されていた。アミーガ社は,アミーガOSを搭載したコンピュータを製作してくれるハードウェアベンダーとの提携を模索しているが,生き残る保証はない。「アミーガはゾンビのようだ。コモドールに殺され,ESCOMに殺され,ゲートウェイにまで殺された。それでもまだよろよろと歩き続けている」とファンたちは嘆いている。
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ゲートウェイという大きなバックボーンを得て,今度こそはと思っていたアミーガの復活はまた頓挫。厳しい状況に追い込まれた。このまま,アミーガボックスが消滅となってもおかしくない事態となった。もともとはゲームで有名なアタリ社の技術者が制作,アミーガ社を設立し,ドイツのコモドール社がこれを買い取って,伝説の名機A1000を商品化。3D映像の制作,ビデオコンポジット出力など,当時としては考えられない能力を持ち,他の追随を許さなかった。だがコモドール社があっさり倒産。その技術欲しさに買収先は数多だったが(ソニーなども名乗りをあげた),ESCOMが買収。しかし,供給が安定せず,結局ゲートウェイの手に引き取られた感じだったのだが…。
アンディ・ウェーホールが惚れ込んで広告に出るなど,特に音楽や映像の分野で使用者を虜にする魅力にあふれていた。ウゴウゴルーガのアニメーションもアミーガによるものだった。完全マルチタスクOSと巧妙に設計されたカスタムチップによって,アミーガは二世代も先を行っていたが…。再び打ち捨てられて,夢は,遠のいてしまうのだろうか。
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